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聖ヶ丘ニュース
校長

【校長ブログ】忘れてはならない日

 今日6月23日は「沖縄慰霊の日」です。

 コロナ禍の中で行われる今年の慰霊式が、昨年に続いて規模を縮小して行われることはとても残念です。しかし、私達にとって、この日は決して忘れてはならない日にほかなりません。現天皇陛下が皇太子時代の19818月に、「日本人として忘れてはならない4つの日」があると、おっしゃられたことは今でも私の脳裏に強く焼き付いています。もちろん、残りの3つは86日、9日、15日です。ただ、この3つの日に比べて、「慰霊の日」の印象が低いことは、教育界や公的なアンケートで指摘されていることも事実です。

 さて、1945326日、慶良間諸島へのアメリカ軍上陸から始まる沖縄戦では、住民を巻き込んだ激しい地上戦となり約20万人を超える方々が亡くなり、沖縄県民の4人に1人が命を落とす激しい戦闘でした。そこで、沖縄県では旧日本軍の組織的な戦闘が終わったとされる623日を「慰霊の日」としています。確かに日本の人々にとって、この悲惨な戦いを経験したことを忘れることはできませんが、同時に朝鮮半島、中国、他のアジアの人々にも凄惨な経験を味あわせたことも忘れてはなりません。

 一方、沖縄本島では、未だに31のアメリカ軍基地があって本島の陸地面積の約15%を占め、経済活動だけでなく自然・文化的環境にも大きな影響を与えています。また、北部の辺野古ではアメリカ軍基地の埋め立て工事が、戦禍の激しかった南部の土砂を使って行うという計画もあり、関係市町村では反対をしています。さらに、先島修学旅行に出かける33期生(高校2年生)の皆さんには、違った切り口から沖縄の実態を学んでもらうため620日付け「東京新聞」日曜版『戦争マラリア』を取り寄せて、本日配付しました。

 沖縄うまる市出身者からなるバンドにHYというグループがあります。メンバーの一人である仲宗根泉さんは、祖母から聞いた戦争体験をもとに2010年『時をこえ』という曲を発表しています。その歌詞の中に、「胸に刻みなさい あなたのその鼓動 昔、昔に繋がるこの命 大切に生きなさい」という一節があります。戦争映画では、とかく敵味方のどちらが正しいかという描き方をすることが多く、また誰しも小さな子どもの時は、強いもの憧れ、畏敬の念さえ持ったりします。しかし、大切なのは味方でも敵でもなく、命は平等なのだということです。沖縄で大切されている言葉に「命(ぬちん)どぅ宝」というフレーズがありますが、これこそ私たちが後世に伝えるものなのです。

 コロナ禍の昨年から今年にかけ、ニュースでは自殺者の多さが取り上げられたりしています。「命とは何か」を考え、その命は一人のものじゃないことを感じ取ってほしいと願っています。皆さんもオンライン動画などで『時をこえ』を聞いてみてください。