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小さな学校の大きな挑戦

たまひじりのA知探Q 学びの玉手箱!
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聖ヶ丘ニュース
校長

【校長ブログ】コゲラのドラミング

 暦の上では「立冬」を過ぎ、街路も雑木林も多くの木の葉が落ちて、見通しの良い季節になりました。

 先週末、116()には第3回学校説明会を午前と午後、中学・高校に分けて行いました。教育活動も徐々に「日常」を取り戻しつつありますが、現状ではまだまだ感染症予防が必要であり、社会的距離を保つため参加者の人数を1家族2名以内と制限させていただきました。準中高一貫校の「小さな学校、きめ細かい指導」を自認する本校では、ほぼ全員が高校へと進学するため、高校募集人員は男女20名と極めて少なく、この日午前中の説明会には17組の参加があり、校内1階ラーニングスクウエアで開催しました。 一方、中学入試説明会は、グランド人工芝改修工事中であり、施設の都合上、多摩永山情報センターを利用しての開催となりました。ここでの説明会は小学校6年生に限定し、14:00からと16:00からの2回の実施としました。それぞれ124組、72組のご参加をいただきました。たくさんの皆様のご参加に感謝申し上げます。ただ多くのご要望をいただいた校内見学、部活動見学ができませんでした。改めてお詫び申し上げます。ご来校いただける企画も検討中です。実施の準備ができましたら、本校ホームページにてご案内いたします。

 さて、今回の中学校入試説明会の会場は、京王相模原線・小田急多摩線それぞれの永山駅から徒歩5分、諏訪団地の入口の丘陵地、京王相模原線と小田急多摩線のトンネルの上にあります。駅方面から会場へ向かう途中の坂道を歩いていた時です、突然、理科(生物)の有江教諭が「あっ!コゲラがいる。」「コゲラって日本で一番小さいキツツキです。」と声を上げました。その声で一斉に皆がそばの木を見上げると、スズメほどの大きさの白と黒の縞模様がおり、我々を迎えるかのように見ている前で「コンコンコン」と、ドラミング(木を素早くつつく行動)を始めました。

 コゲラはその英語名をJapanese Pygmy Woodpecker、また学名をDendrocopos kizuki nipponというように東北地方南部から広く本州に生息するキツツキの仲間です。町の公園、雑木林、木が多い庭先や学校など比較的多くの場所で見かけることできます。伊豆諸島や九州、四国、奄美、沖縄、八重山地方などに亜種がおり、南行くほど羽根の色が濃くなると言われています。くちばしはスズメと違って、細くまっすぐでドラミングに適した形になっています。コゲラのドラミングは餌を採るためや巣穴をつくるためだけでなく、「ギィーギィー」という鳴き声同様に、縄張りを周囲に告知する役割もあると考えられています。ただ、キツツキの仲間のドラミングは、その身体の大きさと比例しており、コゲラのリズミカルな連打も音が小さいので聞き逃し、気がつかないことも多いと言われます。

 有江教諭からの情報では、学校の西側、バス通りから階段を降りた公園にもコゲラのテリトリーがあるそうです。ただ理科の観察などで大勢で行くとすぐに逃げ出してしまうそうです。静かに少人数でそっと行ってみてください。また、学校から永山駅方面まで歩いて15分、駅が見えるところにある多摩市立北諏訪小学校の近くで少し立ち止まって樹林を見上げてください。ここでも、コゲラと出会えるかも知れませんよ。

 わが家の隣には小さな雑木林があって冬の繁殖期には、たまにドラミングが聞こえていましたが、今夏に宅地に整備され、コゲラの声もドラミングも聞くことができなくなりました。