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小さな学校の大きな挑戦

たまひじりのA知探Q 学びの玉手箱!
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聖ヶ丘ニュース
校長

【校長ブログ】大学入学共通テスト雑感

どこよりも早い地理解説

 高大接続改革の一環として導入され、2度目となる大学入学共通テスト(以下、共通テストと略す)が終わりました。コロナ禍も3年目に入り、人と人との接触が大きく制限される社会の中、多感な十代にとっては、これまでに経験のない事態に気づかないうちに大きなプレッシャーを感じていることだと思います。こうした最中に悲しくいたましい事件が起きたことに驚くと同時に、教育の末端を担う一人として事件の重みと教育のもつ役割を感じているところです。

 さて、私にとって1月中旬というこの時期は、教員になって以来、毎夏の「戦争に関する読書」と並んで自分自身が課題に取り組むことにしています。それは、教員としては当たり前のことかも知れませんが、大学入試センターが実施する大学入学試験問題「地理」の解答解説集を作成することです。それは大学院生時代からアルバイトとして行って来た問題集作りに端を発しており、全国のだれよりも、どの出版社より早く全問題の分析と解説を作成することです。今年は「地理B」の問題が公表された16()の朝から取りかかり、ほぼ丸一日をかけて17()の朝2時過ぎに完成しました。ただ、冒頭に記した事件とその後が気にかかり、途中で何度か中断したため、予定より1時間遅れての完成となりました。今年の『全国どこよりも早い「地理B」解説解答集』は、全18ページで学内の高校12年生の希望者には無料で配付しています。もちろん、これで完了ではなく、新たな情報をもとに適宜改正を加えて行きます。

 大学入試センターの「中間集計」によれば、今年の「地理B」の平均点は、昨年比+1.1561.15点でした。これは私の予想より若干高い結果ですが、他教科はいざ知らず、全体的に今年の「地理B」問題の量や質は相当こなれた良問が多かったと思います。単なる知識のより集めではなく、予備的知識をもとに複数の図表、資料などを用いながら考察・推定して解答する問題が多く、ここに作問者の意図が明確に表れています。特に、地理の学習では、図表の読み取りは分析力や思考力を必要とするところであり、現在の「新しい学び」との親和性はもともと高い教科だと思います。従来の最終問題である地域調査(2029年度までは第6問、それ以降は第5)に加えて、アクティブラーニングという学習形態を意識した場面設定から生徒や教員の会話文や学習まとめへの空所補充、適語適文判定などの問題が増えています。これは、今年大きな話題となった「数学ⅠA」や「現代文」などにおいても同様の傾向と言えるでしょう。

 一教員としては、こうした問題解説づくりを是非生徒に取り組んでももらい、そのコンテストを開催できれば良いと考えています。意欲的な生徒の参加を望みます。